遺産相続
このような悩みはありませんか
「遺産をどう分けるかで、家族や親族と揉めて話し合いが進まない」
「遺言に長男にすべて相続させるとあったが、遺産を請求できるのか」
「父の死後、多額の借金があることがわかったので、相続放棄をしたい」
「相続人の一人が認知症だが、遺産分割はどうしたらいいのか」
「相続人同士で争わないよう、遺言書を作成しておきたい」
遺産相続の流れ
1 最初に、遺言書の有無を確認する
遺産相続を始める際は、まずは被相続人が遺言書を残しているかどうかを確認します。
遺言書を発見しても、すぐに開封しないようにしてください。遺言書の種類によって、行う手続きが異なるからです。
公正証書遺言の場合は、次の相続人の調査・確認に移りますが、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、裁判所の検認手続きを経る必要があります。
遺言書の内容に不満がある相続人がいたり、遺言書が見つからない、など問題がある場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。相続人と代理で交渉をしたり、今後取るべき対応をアドバイスいたします。
2 戸籍を集めて、相続人の調査・確認をする
遺言書が残されていない場合は、誰が相続人なのかを調査・確定する必要があります。
まずは、被相続人の死亡から出生までのすべての戸籍謄本を集めて、相続人の候補となる者を確定していきます。
さらに、法定相続人となる全員分の戸籍謄本も取得し、相続人の範囲を確定します。
相続人が結婚や離婚、養子縁組などをしている場合は、複数箇所で戸籍謄本を取得する必要があります。また、戸籍謄本は本籍のある役所でしか取得できないので、遠方の場合は取り寄せることになります。
自分で集める時間がなかったり、収集漏れが不安な方は、弁護士に依頼することをおすすめいたします。ご依頼者様の代わりに、必要な書類を集めるので、時間や労力が軽減されます。
3 プラスもマイナスも含めた相続財産を調べる
被相続人の財産には、プラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産もあります。
プラスの財産には、預貯金や株などの有価証券、家や土地などの不動産、自動車などの登録動産、貴金属などの未登録動産があります。
マイナスの財産には、借金、住宅ローンやクレジットなどがあります。
相続財産の調査も、弁護士に依頼することができます。自分で調べる時間的余裕がなかったり、確認漏れが不安な方は、ぜひご相談ください。
4 相続人全員で遺産分割協議をする
法定相続人と相続財産が確定したら、次は相続人全員で遺産分割の方法を話し合います。
しかし、相続人同士の話し合いは感情的になりやすく、揉めてしまうケースも少なくありません。
とくに、一部の相続人が多額の生前贈与を受けていたり、被相続人の介護をしていた場合には、それぞれの利害が対立してしまいます。
第三者である弁護士が間に入ることで、法律的な知識をもとに、冷静に協議を進めていくことが可能になります。
5 単純承認・限定承認・相続放棄の選択をする
相続人となった人は、遺産を引き継ぐときに「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選択する必要があります。
すべての財産を引き継ぐ「単純承認」
特別な手続きは必要ありません。3ヶ月の期間内に限定承認も相続放棄もしなかった場合には、単純承認したとみなされます。
相続財産からマイナスの財産を清算して引き継ぐ「限定承認」
相続で得た財産から、被相続人の借金などを清算して、財産が残ればそれを引き継ぐ方法です。
プラスの財産が多い可能性があるときや、プラスの財産の中に承継する必要がある財産(被相続人の事業や家宝など)が含まれている場合には、限定承認を選択します。
すべての財産を受け取らない「相続放棄」
プラスの財産もマイナスの財産も、一切承継しない方法です。相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てます。
しかし、相続放棄の申し立てを行う前に遺産を使ったり、不動産の名義変更を行ったりすると、相続放棄ができなくなるので気をつけてください。
6 期限内に、相続税の申告を行う
相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。
相続財産のうち、非課税となる基礎控除の計算式は、「3,000万円+600万円×相続人数」です。
遺産の総額が基礎控除以下の場合は、相続税の納税や申告は必要ありません。
基礎控除の金額を上回った場合でも、配偶者の税額軽減特例などの特例を活用することで、相続税の課税を免れたり、相続税を大幅に引き下げられる可能性があります。
7 遺産分割協議書を作成する
遺産分割協議で相続人同士が合意できたら、その内容を遺産分割協議書に記載しておきます。書面にまとめておくことで、相続トラブルを防ぎ、手続きをスムーズに進めることができます。
遺産分割協議書の作成は弁護士に依頼することができ、記載内容に不備な点や漏れがないかをチェックします。
8 不動産の相続登記の手続きをする
相続登記とは、被相続人から不動産を相続した場合、所有権移転登記をすることをいいます。
期限はありませんが、そのまま放置して二次相続や三次相続が生じた場合には、権利関係が曖昧になり、手続きが複雑になることもあります。
遺言や遺産分割協議で不動産の権利関係が確定したら、できるだけ早く相続登記を行うようにしましょう。
遺言書の作成
遺言書を作成しておくことで、亡くなった後、遺産をめぐる相続人同士の争いを防ぐことができます。
自分の財産を好きなように相続させることができるので、お世話になった人に多くの財産を分けたり、社会や地域の活動に役立てるために遺産を残すこともできます。
遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、法的な効力を持つ公正証書遺言をおすすめいたします。遺言書の原本を公証役場で保管してくれるので、紛失や改ざんのおそれもありません。
成年後見について
成年後見とは、認知症などで判断能力が低下してしまった人の財産を、詐欺などの被害から守るための制度です。
家庭裁判所に申立てを行い、本人を援助する成年後見人が選任されます。
成年後見人は、本人に代わって契約を結んだり、詐欺被害に遭った場合には、契約を取り消すことができます。
成年後見人は、本人の財産全体をきちんと管理したり、病院や介護施設の入所契約などを代理人として交わすなど、さまざまな業務があります。
成年後見人は親族でもなることができますが、弁護士に依頼することで、煩雑な手続きを一任できたり、法的トラブルが発生した場合も迅速に対応することができます。